2021年5月
会計大学院協会理事長
清水 孝
(早稲田大学 商学学術院 大学院会計研究科 教授)

最初の会計専門職大学院が設置されて以来17年が経過しました。その間、会計専門職大学院は、公認会計士および税理士ならびに企業・非営利組織および政府・自治体の会計プロフェッション等を輩出してまいりました。

会計専門職大学院と聞くと、公認会計士育成を思い浮かべる方も多いと思います。確かに、会計専門職大学院で学ぶ学生の多くは公認会計士を目指しています。しかし、会計プロフェッションはそれだけではありません。税務を主として取り扱う税理士、企業や非営利組織内で財務会計や管理会計を担当するアカウンタント、さらには政府・自治体におけるアカウンタントもみな会計プロフェッションです。

財務会計的な観点で見れば、会計基準を作成する立場、会計基準に従って組織の情報を開示する立場、開示される情報を監査する立場それぞれで会計プロフェッションが必要となりますし、管理会計的な観点で見れば、企業内の経営管理者に対して意思決定に有用な情報を作成する立場、企業の戦略やその実施方法を検討する立場、さらにはSDGsなどの長期的目標を株主や投資家に対して適時に適切な情報として開示するとともに説明する立場で会計プロフェッションが活躍します。また、会計に関するアドバイスを企業などに提供するコンサルタントも会計プロフェッションと言えるでしょう。

会計専門職大学院は、国際教育基準(IES)に基づき、これらの幅広い会計プロフェッションを育成するために、高度な教育カリキュラムを持ち、ますます拡張しつつある組織内外で活用される会計情報に対応するよう日々教育を実施しております。

これからも会計プロフェッションに関係する諸団体、企業、そして関係官庁等のニーズに応えた人材を養成できるよう努力してまいります。皆様からのご協力とご支援を賜りたくお願い申し上げます。